「コトアン創作裏話」のコーナーにようこそ!ここでは、Twitterに書ききれない創作の気付きや小ネタ等をまとめていこうと思います。(今回試験的にブログを書いています)
第一回のテーマは「獣耳」!
…の、「耳毛」。
「耳毛」というのはコレです。獣耳に生えている内側の毛。あの「丸っとモフモフとしたチャームポイント」。今回はその「丸っと」についてのお話です。
以前、Twitterである意見が流れてきました。
「獣耳、耳穴の所に毛が詰まっていたら音聞こえにくくない?」
そう!そうなんです!冷静に考えてしまうと、あの構造って少し不自然。
実はリアルな動物を見ると、耳毛というのは耳全体の横側から生えています。あの「チアリーディングのポンポン」みたいな形ではないんです!
「耳毛は横から生えている」という事実を知ってしまったら、もう気になって仕方がない。そこで過去に、「妖狐日記」で琴葉さんの耳をあえてリアル寄りの形で描いた事がありました。
しかし結論から言うと…
あまり可愛くならない!(知ってた笑)
改めて描いてみました。リアル寄りの耳毛。

「耳毛ボーボー」感が出てしまいます。
おそらくこれがリアルな耳毛が描かれない理由でしょう。可愛く描きたいのなら、実際の形を無視してでも「丸み」を出した方が良さそうです。長いものに巻かれるのは悔しいですが、それもまた表現力の一つなり。
それにしてもコレを毛玉形式にデフォルメするなんて、初めて丸く描いた人の勇気や発想力に脱帽です。しかもその表現が今では多くの人に受け継がれているという。
…そこでふと脳裏をよぎったのが、
「実は今の耳毛って、最初は耳毛ではなかったのでは?」
説。実際の耳をよく見ると、あるんですよ。下から生えている外側の毛が!ちょちょっと小さく生えています。
横側から生えている毛は無視して、実は最初はこっちを描いていたのではないかと。
世の中には、下側から毛が立っているタイプの獣耳表現もあります。猫耳に多いですね。
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もしかしたらそれが、横から生えている毛のイメージと混ざって巨大化したのではないか。そして伝言ゲーム式に描かれるにつれて、「耳毛=丸くてモフモフ」という認識が広まったのではないか。
これが、「下側からのアプローチ」。
そしてもう一つの仮説が、
普通に耳毛をデフォルメ化した
説。どういう事かと言うと、リアル耳毛は耳元に近いほどボリュームが大きく、先端へ進むほど小さく生えています。
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なのでリアル獣耳を参考にして描いた人が、デフォルメの際に大きい部分を残して、小さい部分を省略したのではないか。そうして、本来は耳穴を囲むように生えている毛が、デフォルメ表現だけが真似されるにつれて耳穴に入っている毛玉の形になったと。
これが「横側からのアプローチ」。
この二つのアプローチが収束した結果が、現在の耳毛なのだ!(多分)
他には
・「羽織紐の房」的な和風かつ古風なイメージを持たせる為に、毛玉状の耳毛が使われた
・「猫といえば毛玉」として、猫らしさを強調する為に毛玉状を採用
…などの仮説も思い浮かびますが、ここに書いているのは全て憶測で何か根拠がある訳でもないので(笑)真相は闇の中。
とにかく大事なのは、それらの考えを踏まえた上で「どんな獣耳を描くか」です。
これら二つの獣耳のアプローチを把握すれば、それぞれの弱点を克服した「新たな獣耳表現」が描けそうな気がしてきました。
という訳で新しく獣耳を作ってみましょう!
これが、令和時代の新たな獣耳だッ!
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地味…!
しかしこれならば、「耳毛ボーボー」感を抑えつつ「耳穴に毛玉が詰まって聞こえにくそう」感も無くせるのではないでしょうか!
もし良かったら、毛玉タイプ回避策として真似してみてくださいね!
(自分が使うかは分からない笑)
今回はこんなところで。
前々からやりたかったコラム的な更新ですが、文章を整えたり、画像を用意したり、ウェブ上の表示を調整したりと想像以上に大変な作業だったので(絵を描いてる方が楽やん…)、次はまたどうしても書いておきたいネタが思い浮かんだ時に更新しようと思います。
それでは!